インプラントに保険が適用されないのはなぜか
日本では、国民のほぼ全員が、何らかの健康保険に加入しています。
しかし、インプラントや歯科矯正などの治療については、保険が適用されません。
これはなぜでしょうか。
その理由は、日本における保険診療の成り立ちにあると考えられます。
国民皆保険の制度は、全ての国民が生きていくうえで「最低限の医療」を受けられるように、という趣旨でスタートしました。
そのため、オプションで選択できるような「より良い治療」については、保険の適用が認められていないのです。
本来、歯根治療は技術的に難しく、高度な医療が要求される分野です。
しかし、完璧な治療を実践しようとすると、コストと時間の両面で、クリニックの経営を圧迫してしまうのです。
そのため、日本では6割から7割の「最低限の医療」で治療を終えてしまうケースが大半です。
たしかに、虫歯を治療し、入れ歯を作るなりすれば、生きていくうえでの支障は生じません。
患者さんの中にも、インプラントを「贅沢な」治療として退けてしまう気風もあるようです。
歯科矯正にしても、治療というよりは整形に近いイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし、欧米では歯の治療に十分な時間をかけられるシステムが整っています。
歯石除去ひとつとってみても、アメリカでは日本の17倍、イギリスで18倍、フランスで4倍の治療費のもとで徹底的に行なわれます。
歯根治療は1本あたり200~300ドルの費用を投じて、保険の適用外の治療を行なう患者さんも少なくありません。
インプラントについて考えるとき、我々は「治療の質」というものについて注意を向けるべきなのかもしれません。